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2020.05.03
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スポーツクラブがドキュメンタリー映像を制作する意義 - Documentary of TOKYO CITY F.C.

運営スタッフの小泉翔(@Shokoizumi)です。

4月上旬にTOKYO CITY F.C.(以下 CITY)の2019シーズンに密着したドキュメンタリー作品「Documentary of TOKYO CITY F.C.」を公式YouTubeチャンネルにて公開しました。

まだ映像をご覧いただいていない方は、ぜひお時間ある際にこちらからどうぞ。

全9話、1話10分ほどの映像になっています。尻上がりに盛り上がってきますので最後まで楽しんでいただければと思います!

【#01】クラブ史上最高の相手

【#02】 渋谷からJリーグへ

【#03】 Mr. TOKYO CITY

【#04】新戦力の躍動

【#05】18歳の守護神

【#06】孤高の指揮官

【#07】エースの復活

【#08】優勝への天王山

【#09】勝利への執念


制作に至った経緯

昨年2019年2月に、CITYは株式会社PLAYNEWとして法人化をしました。社会人草サッカークラブとして発足した2014年から、第二創世記へと突入します。

渋谷区を拠点にJリーグ参入を目指すと宣言し、世の中にクラブを発信していく手段を模索していたこのタイミングで、映像作家の松永エイゾー(@matsunaga_eizo)が、ドキュメンタリー映像の制作を一緒にやっていくのはどうかと申し出てくれました。

彼は20代前半の頃から一緒に観光関連の事業を一緒に行なっていた友人で、昔から一つ屋根の下で生活をともにしてきたシェアハウス仲間の一人でした。

本業として企業広告やプロモーション映像の制作する映像作家で、企業案件とは別に自身のポートフォリオとなる作品作りをする機会を探していました。僕含めクラブのスタッフからCITYに対しての熱量を感じた彼は、「これは面白そうだな」と興味を持ってくれました。

J8に相当するこのカテゴリーのクラブが本格的なドキュメンタリーを制作するという真新しさ。既存の枠組みに囚われないクラブのビジョンを表現する手段としての最適さ。新しい事例としてサッカー界に少しでも良い影響を与えられるのではないかという希望。

金銭が発生しないカタチですが双方のやりたいことが合致し、タッグを組んで制作をする決意をしました。


ドキュメンタリー作品のゴール設定

プロジェクトをスタートした2019年2月に行われた東京カップ1次戦の南葛SC戦。

当初は、ドキュメンタリーのゴール設定を対外的なクラブのブランディングに設定していました。

東京都2部の社会人サッカークラブもこんなに熱く本気で取り組んでいることを知ってもらいたい。クラブや選手のことを知ってもらい。ファンやサポーターが少しでも増えればという外向きのベクトルで企画を考えていました。

しかし、2019シーズンは東京都社会人リーグ3部から2部リーグへの昇格を果たし、初めてのプロ契約選手である阿部翔平選手を含め選手も大きく入れ替わり、運営スタッフ陣も20名を越す大所帯へ様変わりしたタイミングでもありました。


クラブ代表山内による2019シーズン開幕前のツイート


作品のゴール設定を模索するうちに、まずクラブが目指す「Football for good “ワクワクし続ける渋谷をフットボールで”」というビジョンが、新加入の選手やスタッフに全く浸透してしていないという問題に気づいたのです。

コアに関わる彼らメンバーとの力を集結させないことにはビジョンの実現は到底敵わないことは言うまでもありません。

また、社会人サッカークラブは東京都だけでも数百とあるため、選手にとって「ただサッカーをできる場所」としての存在になってしまうと、クラブからの離脱を招きます。

“まずは新加入の選手やスタッフに、自分たちが目指す理想像や方向性をしっかりと理解してもらい、クラブに愛着を持ってもらえるような映像作品にしよう。そこを突き詰めれば外部の方々にもクラブについてより理解してもらえるのではないか。”

そのようにゴールを再定義し、「Documentary of TOKYO CITY F.C. 」の制作は再スタートしていきました。


クラブと制作者による議論の積み重ね

編集に取り掛かった段階で、松永と僕たちクラブの間で様々な議論がありました。

シーズン中にクラブの裏側で起きていたトラブル、選手の離脱、外には見せたくないシーンを、ここまで赤裸々に出すことにリスクがあるのではないか。ブランディングにとってマイナスになるのではないのか。

どうしても見え方を気にしてしまう僕らクラブ側に対し、常に映像作家の松永は「その場の空気、緊張感をありのままを見せることに価値がある。

メインのターゲット(選手、スタッフ)にしっかりと届けることを第一に。」とドキュメンタリーのコンセプトを貫くことを打診してきました。 

GM兼監督である深澤のツイート


ありのままの姿を表現する、という観点以外においても、様々な視点でクラブ対制作者の構図での議論は何度も繰り返してきました。

最終的に両者が納得するかたちで仕上げることができたことは非常に大きな収穫です。


公開後の反響

紆余曲折を経て結果的にドラマチックに優勝を成し遂げる、という結末を迎えられなかった本シーズン2019。決してスマートではなく、様々な問題にぶち当たる泥臭い人間模様。

出演者である監督、選手スタッフに確認を行なっていたものの、結果的にメインターゲットである選手やスタッフから、個別に何度も「次の回、こっそり先に見せてよ」とLINEがくるくらいみんなが楽しみにしてくれるものを作ることができました。



また、ご視聴いただいた方々にはそんなありのままの姿に共感して頂けたり、クラブの実情や現時点での立ち位置について深く理解して頂けたように思います。

サッカーに関わる方々からの反響を中心にポジティブな反応が多く、SNSに投稿される声に感極まる思いでした。



スポーツクラブがドキュメンタリーを制作するメリット

本来ここまで密着し期間もリソースも費やしたドキュメンタリー映像を制作するには、踏み切るのに躊躇する規模のお金と手間がかかるものかもしれません。

ただ公開後の反響やクラブへの影響を顧みると、スポーツクラブがドキュメンタリー映像を制作することのメリットは様々な面で挙げられるのではないかと感じました。


●クラブ内メンバーへの影響

公開後、まず選手やスタッフのクラブへの意識、モチベーションが一段と上がりました。


①クラブ状況の把握

映像の制作の中で選手やスタッフの生の声を改めて聞くことによって、状況の把握や整理、足りていない点、クラブの強みの再確認などが行うことができました。実際に彼らとのインタビューでクラブに対して思っている本音を聞き出せたことは非常に大きな収穫でした。

②ビジョンの共有

目的としていたビジョンの共有や方向性の共有により、運営サイドが選手へ求めていることへの理解が深まり、クラブのためにできることを率先して考え行動する選手が増えてきたように感じます。

③クラブ愛

また外部からの反応も然り、「自分は誇れるクラブでフットボールをしているんだ」という意識の変化がありました。家族や友人からの反応を嬉しそうに共有してくれるシーンも多々見られました。

④エンゲージ向上

ビジョンの共有、クラブ愛の造成により、選手やスタッフの活動へのコミットメント、日々のコミュニケーションにおけるエンゲージも、格段に高まったことが大きなポイントです。

⑤客観的な評価

作品の発信によって、周囲の方々にどのように思われているのか、どのような反響が返ってくるのか、どんな評価を受けるかを把握できたことによって、今後のマーケティングの材料として資産になる実績となりました。


●外部の方々への影響

内向きのゴール設定を置いたものの、外部の方々からも様々な反響を頂きました。


①パートナーエンゲージ向上

既存パートナー企業様やステークホルダーの皆さま、ホームタウン活動でお取り組みをしている団体様などへの理解が増すことによって、「このクラブを支えているんだ」という意識をさらに強く持って頂いた印象があります。またハブとなるパートナーの皆様が外部にクラブの紹介するするツールとして活用いただいています。

②新規パートナー・ファン獲得

また結果的に新規パートナーのお問い合わせや獲得、クラブに興味を持ってくださる一般視聴者の方々からの発信も多く見受けられました。

③クラブクリエイティブの業界内認知向上

また元より常に意識を持って制作・発信をしていたクリエイティブへのこだわりを、より高いレベルでアウトプットしたことによりそのコアバリューに対する認知向上も行えたかと思います。「このカテゴリーでここまでやりきるのか」という声が多かったことが非常に嬉しく思いました。

④スカウティング

さらに選手やスタッフのスカウティングの要素においても今後影響が出てくることを予想しています。クラブの大事にしていることや定性的なムードや熱量を感じ取って頂いたことで、新規メンバーとのカルチャーフィット、クラブ文化への適応性をさらに高められるのではないかと思います。上位カテゴリーからのスカウティングも作品をきっかけに行っていければと考えています。


今後のCITYの活動について

2020年もさらにアップデートしたかたちで、また別の切り口で、クラブに密着したドキュメンタリーの制作を継続していければと考えています。

ただ、新型コロナウイルスの拡大により東京都社会人サッカーリーグも中断しております。

1日も早く青空の元、サッカーができる日常を取り戻すためにも、サッカーファミリーの皆様とともにポジティブな気持ちで自粛生活を過ごせればと思います。

中断中のクラブの様子や活動内容に関しましては、積極的にSNSで配信しておりますのでチェックしていただければ幸いです。

TOKYO CITY F.C. 公式Twitter

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